土木インフラ

1グラウト充填状況のリアルタイムモニタリング
- ✔︎ DFOSによりグラウト充填時の液面位置をリアルタイムに可視化
- ✔︎ 温度分布から充填状況を把握し、施工中の品質管理への適用性を確認
本案件は、二重鋼管の間にグラウトを充填する施工において、分布型光ファイバセンシング(DFOS)を用いて充填状況をリアルタイムに計測した事例です。鋼管間に光ファイバセンサケーブルを設置し、グラウトと周辺環境との温度差を利用して、光ファイバに沿った温度分布を連続的に取得しました。計測結果をカラーコンター図として表示することで、グラウトの充填に伴って液面が上昇する様子をリアルタイムに可視化しました。
DFOSから検出したグラウト液面位置と、注入ポンプの積算流量から算出した理論上の液面位置を比較した結果、両者はおおむね一致し、グラウトが計画どおり充填されていることを確認しました。これにより、従来は施工後の確認に頼ることの多かったグラウト充填について、施工中に充填状況を把握し、品質管理に活用できる可能性が示されました。
出典:令和8年度土木学会全国大会 第81回年次学術講演会(2026年9月),© 公益社団法人土木学会
2送水管路および周辺状況のモニタリング(阪神水道企業団および神戸大学との共同研究)
- ✔︎ 既設トンネルと新設する送水管路の間に光ファイバを敷設
- ✔︎ 施工時にはグラウト充填時の品質確認、供用後は管路の状態監視・地盤等の変動把握による維持管理の高度化を目指す
本案件は、阪神水道企業団が進める3期芦部谷送水トンネルの更新工事において、既設トンネルと新設する送水管の間のグラウト充填部に光ファイバセンサケーブルを敷設し、施工時から供用後まで継続的にモニタリングする共同研究です。トンネル断面の異なる位置に複数本の光ファイバを配置することで、将来的な送水管路の変形や周辺状況の変化を分布的に把握し、地中管路の予防保全型維持管理につなげることを目指しています。
グラウト充填施工では、分布型光ファイバセンシング(DFOS)により、光ファイバに沿った温度分布とその時間変化を連続的に計測しました。充填位置に応じた温度上昇や、水和反応に伴う最高温度の発現、その後の冷却・安定化までを捉え、DFOSがグラウト施工時の温度管理や品質評価に適用できることを確認しました。
送水管の更新工事に伴う予防保全型維持管理法の確立 (2) グラウト充填温度計測
出典:令和8年度土木学会全国大会 第81回年次学術講演会(2026年9月),© 公益社団法人土木学会
3トンネル掘削に伴う先受け鋼管の挙動計測
- ✔︎ ELPSにおける先受け鋼管の実挙動を高精度・高解像度で取得
- ✔︎ 光ファイバ計測により、軸力・曲げ・たわみの変化を連続的かつ高精度に可視化
本案件は海山トンネル坑口の脆弱地山に対し、45m級の超長尺鋼管先受け工(ELPS)が施工された際の計測事例です。鋼管内部に一体化させた上下左右の4測線の光ファイバを軸方向に設置し、鉛直・水平双方の引張および圧縮挙動を連続的に取得しました。取得したデータはコンター図により視覚化し、切羽前方から後方にかけて発生するひずみの位置・範囲・変化傾向が明確となり、長尺鋼管の作用範囲や影響域を立体的に評価することができました。
計測結果から、切羽前方5〜6mの位置で鋼管に曲げ圧縮が現れ始め、掘削直後の切羽後方2m区間では大きなたわみが発生するなど、従来計測では把握が困難だった細かな断面力の変化を明瞭に捉えることができました。
出典:土木学会 第67回年次学術講演会(平成24年9月),© 公益社団法人土木学会

