鉄道

1既設通信用光ファイバーを活用した落石検知(JR東海との共著論文)
- ✔︎ 人工斜面で4~52kgの岩石を落下させる模擬実験を行い、NBX-S4100(DAS)を用いて、いずれの岩石についても落石に伴う振動を検知
- ✔︎ 周波数解析とAI異常検知により、落石の自動検出や他の振動事象との識別に向けた可能性を確認
本研究は、鉄道沿線に敷設されている通信用光ファイバーの活用を想定し、落石検知への適用可能性を検証したものです。人工斜面において4~52kgの岩石を落下させ、NBX-S4100(DAS)を用いて分布型振動計測を実施しました。その結果、今回の試験条件ではすべての岩石に伴う振動を捉え、落石の移動や到達に応じた時間的・空間的な変化を連続的に可視化することができました。
取得データの解析では、落石と歩行などの振動イベントを比較し、100Hz未満の周波数成分に差異を確認しました。さらに、通常時の環境振動を学習したオートエンコーダを適用し、暗振動以外の振動を異常として検出することに成功しました。これらの結果から、既設通信用光ファイバーとDASを組み合わせた鉄道沿線の落石検知システムへの適用可能性を示しました。
出典:鉄道工学シンポジウム論文集, Vol. 30, No. 1, 196‐203, 2026,© 公益社団法人土木学会
2DASと機械学習による異常振動のリアルタイム検知
- ✔︎ DASと教師なし機械学習を組み合わせ、落石や人の動きによる異常振動を検知
- ✔︎ 正常時の環境ノイズのみを学習し、98%以上の高い異常検知率と低い誤検知率を確認
本案件は、DAS(分布型音響センシング)と機械学習を組み合わせ、光ファイバ周辺で発生する異常振動を検知した実証事例です。地表に敷設した光ファイバをNBX-S4100(DAS)に接続し、通常時の環境ノイズに加えて、落石や人の歩行・跳躍による振動を計測しました。異常検知には教師なし学習によるオートエンコーダを用い、正常時の環境ノイズのみを学習させることで、入力信号と再構成した信号との差から異常を判定する手法を検証しました。
検証の結果、小規模な落石で98.25%、大規模な落石で99.95%、歩行で99.20%、跳躍で99.95%の異常を検知し、正常時の環境ノイズに対する誤検知率は0.1%となりました。異常事象そのものの大量な学習データをあらかじめ用意することなく、通常時に取得できるデータから異常検知モデルを構築できるため、DASによる広範囲な監視と組み合わせたスクリーニングや早期警戒への活用が期待されます。
出典:令和8年度土木学会全国大会 第81回年次学術講演会(2026年9月),© 公益社団法人土木学会
3台湾の鉄道橋における分布型光ファイバセンシングによる健全性モニタリング
- ✔︎ 約1kmの鉄道橋に光ファイバを敷設し、ひずみ・変位を長期的かつ分布的にモニタリング
- ✔︎ 地震後の迅速な安全性確認に加え、DASによる列車走行時の動的挙動計測にも適用
台湾の鉄道橋において、約1kmの区間に分布型光ファイバセンシングシステムを設置し、構造物の健全性モニタリングを実施した事例です。光ファイバを橋桁の4つの象限に配置することで、軸方向ひずみに加えて、水平・鉛直方向の曲げ変位などを算出し、SCADAシステム上で監視区間全体の変形や各地点の詳細な計測情報を可視化しました。計測区間は990m、33径間にわたり、2021年9月から継続的な計測が行われています。
2022年9月に台湾東部で発生した地震の際には、地震直後に橋梁を迅速に計測・分析し、構造に大きな変化がないことを確認しました。また、DASによる列車走行時の動的計測も実施し、列車の移動や速度、橋梁伸縮継手の位置、列車通過に伴う構造物の振動特性を捉えました。静的な長期モニタリングと動的計測を組み合わせることで、鉄道構造物のより高度な健全性監視への活用が期待されています。



出典:土木建設技術発表会2024, Ⅳ-05(2024年11月),© 公益社団法人土木学会
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